新しくビジネスを始めるにあたって、会社を立ち上げるか個人事業主でやった方がいいのかという質問をよく受けます。
事業として何かを始めるには、個人事業主か会社でやるかを選択しなければなりません。
どちらにも一長一短あり、よく聞かれるのでまとめます。
個人事業主と会社の違い
個人事業主と会社の根本的な違いは、法人格があるかないかです。
法人格があれば、その法人が権利義務の主体となって他の会社、一般個人と取引できるようになります。
例えば、事務所を借りたいとなった場合、会社が賃貸借契約の当事者となることが出来ます。
個人事業主の場合であれば、あくまで個人事業主は法人格がありませんので、契約の主体は個人になります。
個人事業主の例えですと、地元で少人数で営業されているラーメン屋さん等がわかりやすいかと思います。(勿論、ラーメン屋の営業を会社の事業として営業している可能性はありますが)
個人事業主の場合でも任意に事業をするにあたって名称を定めている場合があります。
例えば〇〇引越センター、〇〇らーめんといった具合に、会社法及び他の特別法に定められている法人格の名称がついてない限り、法人格はありません。
こういった名称のことを屋号といいます。
法人格の名称の例としては
・株式会社
・合同会社
・一般社団法人
・司法書士法人
等です。
当事務所も司法書士法人であって法人格がありますので、司法書士法人名義で契約等をして事業活動をしております。
個人事業主のメリット
・売上げ次第では法人を設立するよりも節税することが出来る
・開業したら税務署と都道府県税事務所、一部の場合市町村役場に簡単な書類を提出するだけで開業することが出来る
・一般的に法人より税理士報酬が安いことが多い
・法人と違い法人住民税の均等割(都道府県によって金額は異なるが東京都内では年間7万円)がかからない
・法人を設立する場合と異なり登記は不要なため、登記にかかる登録免許税、定款認証代、司法書士報酬がかからない
個人事業主のデメリット
・決算日を任意に定めることが出来ず、12月31日が決算日と税法により定められている
・権利義務関係の主体はあくまで個人であり、権利義務は個人に帰属するため、株式会社と違い事業における借金も個人の責任財産があてになる
・一般的に対外的信用が低い。個人事業主とは一切取引しない企業もある。
・売上げによっては法人化した方が節税になるケースもある
法人のメリット
・個人事業主と違い対外的信用がある
・一般的に設立される株式会社や合同会社であれば間接有限責任であるため、出資した財産の範囲内でしか責任を負わない。
(もっとも法人名義で借入等をする場合は、代表者が連帯保証人になることが一般的です)
・会社名義で事業活動をすることが出来、会社名義で契約等もできる
・会社の決算日を定款で任意に定めることができるため、税金面で有利になる可能性もある
法人のデメリット
・登記が必要なため、登録免許税等がかならずかかる
・個人事業主より開業後に税務署等に提出する書類が多い
・会計、経理の知識が必要で、決算書を毎年作成する必要があり、税理士に依頼した場合の税理士報酬がかかる
・法人を設立すると数年に一度税務調査が必ずある。一般的には5年に一度位が目安。
・法人住民税の均等割りが黒字、赤字の場合でも必ずかかるため設立したら解散、清算結了するまで毎年ランニングコストがかかる
まとめ
個人事業主でも会社形態でもどちらもメリット・デメリットがあります。
税金面でも売上げの金額等で一長一短あると思いますので、税理士さんとご相談ください。
法人設立の際は登記が必ず必要になりますので、お任せください。