決算の公告

株式会社

株式会社は決算が終了した後に決算書類(貸借対照表等)を当該事業年度終了後の定時株主総会で承認を受けなければならず、その定時株主総会の終了後遅滞なく貸借対照表(大会社にあっては損益計算書も含む)を公告しなければなりません。(会社法第440条1項)

毎事業年度公告しなければならないので、1年に1度必ず公告をしなければなりません。

会社法は守られていない有名無実の条文がたくさんありますが、この条文も守られていない条文の一つです。

私なりの考えを。

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株式会社の決算の公告方法

株式会社の決算の公告方法は以下の3つがあります。

・官報に掲載する方法

・日刊新聞紙に掲載する方法

・電子公告

官報に掲載する方法とは、官報という国が発行している新聞の中に掲載依頼をして掲載する方法です。

官報に掲載するには勿論掲載する費用がかかります。

東京都官報販売所 掲載料金について

官報にて決算公告する場合は、最低72,978 円(本日現在)かかります。※依頼するところにより多少費用の違いがあるかもしれません。

日刊新聞紙に掲載する方法については、どんなに少なくても最低でも50万円以上費用がかかりますので中小企業では現実的ではないでしょう。

最後の電子公告については、自社のコーポレートサイトのHP上に貸借対照表を公告する方法です。利害関係人は登記簿からURLを確認し、貸借対照表を確認することができます。

他の会社形態の場合の決算公告義務の有無

株式会社では1年に1度必ず決算書類の公告義務がありますが、合同会社には決算の公告義務はありません

合同会社は、設立する際に定款認証も不要で、登録免許税も最低6万円(資本金の額の1000分の7、6万円に満たない場合は6万円)しかかかりませんので、合同会社に偏見がなく、将来株式上場をする予定がない場合(株式という概念がないため)は合同会社を検討するのもいいでしょう。

また合名会社、合資会社にも決算公告の義務はありません。

ただし、比較的よく設立される一般社団法人については決算公告の義務がありますのでコストを気にされる方はご注意です。

ちなみに司法書士法人には決算公告の義務はありません。(これは司法書士法により合名会社の規定を準用しているためです)

決算公告の義務を果たさない場合

決算公告を怠った場合には代表者が100万以下の過料に処せられます。(会社法第976条2号)

まあこの決算公告を怠ったからといって過料の通知が来たという社長さんを私は知りませんが、、、

ただし、法律を守っているかどうかは株式を上場する際の審査の一つですので、遵守すべきです。

法定公告の場合の公告方法

会社法上決算の際以外に、公告をしなければいけない時があります。

・資本金の額の減少

・合併

・会社分割

・組織変更

・清算結了

等です。

この法律で義務付けられた公告方法も上記三つの官報、日刊新聞紙、電子公告になりますが、この法定公告を電子公告でした場合には、電子公告調査機関による事前調査が必要です。

法定公告の際は一般的に1ヶ月以上の公告期間が義務づけられていることも多いため、この公告期間に応じて費用も高くなりますが、最低でも10万円以上かかりますので、それであれば官報の方が安いので、法定公告を電子公告する値段的なメリットはあまりないでしょう。

ちなみに法定公告(合併等)を電子公告とした場合には、公告をしたことを証する書面として、この電子公告調査期間が発行した電子公告調査結果通知を添付しなければ登記申請が受理されませんので、一般的な公告方法は官報に掲載する方法にするのが一番費用がかからないでしょう。

決算公告をする際の特例の公告方法

法定公告の方法が、官報に掲載する方法、日刊新聞紙に掲載する方法により公告する株式会社については、貸借対照表の要旨を公告すれば足ります。(会社法第440条2項)

また決算公告をする際の特例で、上記2種類の公告方法を定めた株式会社であっても、例外的に決算公告については貸借対照表の公告を電子公告ですることも可能です。(決算公告も法定公告ですが)

条件としては、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表の情報を、定時株主総会の終結の日後5年を経過する日までの間、自社のWEBサイト上に貸借対照表の全文を掲載し続けることです(会社法第440条3項)

この場合法定公告の際に必要な電子公告調査期間による調査は不要ですので、決算公告にかかる公告費用を削減することができます。

この決算公告の際だけ電子公告をする際のURLは登記事項ですので、登記が必要になります。

登記にかかる登録免許税は3万円+報酬ですので、決算公告を官報でされている株式会社は検討してもいいのかなと思います。

添付書類としては委任状のみなので手間もかかりません。

株式会社設立の際に登記

設立登記申請の際にこの決算公告をする際だけ電子公告をする旨の登記も申請する場合は、株式会社設立の際にかかる登録免許税(資本金の額の1000分の7、15万円に満たない場合は15万円)に包含されていますので、設立の際からURLが決まっている場合は、ついでに登記しましょう。

通常のドメイン(.jp、.comなど)を取得するには特段必要な書類はありませんが、co.jpという日本で登記された会社だけしか登録できない日本企業限定のドメイン名を取得する際は、ドメイン業者によっては登記簿謄本の提出を求められます

せっかく株式会社を作ったらco.jpでドメインも取得したいですよね。

このブログのドメインも事務所のサイトのドメインもお名前.com で取得しておりますがお名前.comであればco.jpを取得する際に、登記申請前でも仮登録という制度があるので、登記完了後に登記情報を提供すれば本登録できるようです。

.co.jpドメイン名の仮登録とは?


ドメインはどこの業者で取得してもほとんど変わらないので値段だけで決めても問題ないでしょう。

co.jpは通常のドメインより高めですが、.comは安いのでドメイン名にこだわりがなければ会社を作る前に独自ドメインも取得しておきましょう。

まとめ

近年コンプライアンス遵守という動きがかなり強まっておりますので、今後決算公告をしていない会社は会社法上の罰則規定を厳重に適用する動きが強まるかもしれません。

私がもし今後株式会社を設立する際は、通常の公告方法は官報に掲載する方法で、決算公告のみ電子広告という内容で登記すると思います。

この場合、登記申請前にco.jpのドメイン名もお名前.comで取得して仮登録をして、登記申請後に本登録をします。

株式会社を設立される方の参考になれば幸いです。