募集株式の発行と自己株式の処分の違い

会社法

募集株式の発行についてはいわゆる増資と呼ばれますが、自己株式の処分については手続は同じであるのに、資本金の額(資本準備金も)は増加しません。

登記すべき事項について変更があった場合は2週間以内に登記をしなければなりません。(会社法第915条1項)

それぞれの手続を。

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募集株式の発行と自己株式の処分

募集株式の発行と自己株式の処分の手続は全く一緒なので、新会社法では募集株式の発行と自己株式の処分については、募集株式の発行等とまとめて規定されています。(会社法第199条〜)

自己株式とは?

自己株式とはその会社自身がなんらかの事由によって会社自身が株主となっている株式のことを言います。

金庫株と呼ばれ、新会社法によって解禁されました。

自己株式の処分とは会社自身が保有している株式を募集株式の発行と同様の手続によって、割り当てし、払い込んだ人に株主になってもらうことを言います。

登記事項の変化

募集株式の発行については、完全に新株発行となるため、発行済株式の総数が増加するとともに資本金の額も増加します。

ただし、募集株式の発行の手続により払い込まれた出資金は必ずしも全額を資本金に組み込む必要はありません。

払い込まれた金額の2分の1までは資本金に組み込まず、資本準備金とすることができます。

自己株式の処分については、発行済株式の総数は増加しません。

なぜなら発行済株式の総数については、当該会社自身が保有している場合でもカウントされるためです。

この場合株式の所有者が会社から引受人に変わるだけなので総数は一切変わりません。

また、資本金の額も増加することはありません。

資本金及び資本準備金を増加する金額については下記の計算式があります。

資本金等増加限度額=(払込みを受けた金額−法定の費用※当面の間0円)×株式の発行割合-自己株式の処分差損

株式の発行割合とは、当該募集に際して発行する株式の数を、当該募集に際して発行する株式の数+処分する自己株式の数で除したものとされています。

これは増資手続の際に自己株式の処分のみの手続をする場合には、当該募集に際して発行する株式の数が0であれば答えは0ないし0未満になります。

自己株式の処分差損が生じるケースでも、資本金等増加限度額が0未満である場合は0となります。(会社計算規則第14条)

なので自己株式の処分のみの手続の場合は資本金の額も増加しないため、結論としましては登記事項に変化はありません。

ただし、募集株式の発行もしつつ自己株式の処分の手続をする場合には、登記事項に変更がありますのでご注意を。

登記事項に変更があった場合には、募集株式の発行等の手続においては払込期日もしく払込期間の末日から2週間以内に変更登記をしなければなりません。

これは払込期日の度に登記をするのは煩雑であるから末日から2週間以内にまとめて手続をしていいことになっています。

まとめ

増資といわれると募集株式の発行については登記事項に変更がありますが、自己株式の処分については登記事項に変更はありません。

ただし、自己株式の処分についても手続は募集株式の発行と一緒のため、各種決議や議事録もきちんと整備しなければなりません。

登記事項に変更がなくても、法定の手続が行われているか、定款チェック、議事録作成のみも承っています。

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